桜の開花

 21日、気象台から桜の開花宣言があった。今はまだ5分咲きといったところで、公園の桜の木を眺める花見客の姿がちらほらと眺められます。

 

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 「みすず」1・2月合併号に読書アンケート特集があり、アンケートの回答が掲載されています。

 小野和子『あいたくてききたくて旅にでる』PUMPQUAKES、2020年。服部文祥氏が挙げていた本。梅棹忠夫賞受賞。

 辻山良雄氏が小山田浩子『小島』

 武藤康史氏が池内紀川本三郎『すごいトシヨリ散歩』

 石川美子氏が若菜晃子『街と山のあいだ』

 山田稔氏が黒川創『旅する少年』

 三中信宏氏が森まゆみ『路上のポルトレ』

 堀川惠子氏がライザ・マンディ『コード・ガールズーー日独の暗号を解き明かした女性たち』

 原武史氏が、黒川創『旅する少年』、野崎有以『ソ連のおばさん』

参照:https://www.msz.co.jp/book/magazine/202202/

『野呂邦暢 古本屋写真集』のこと

 『野呂邦暢 古本屋写真集』が岡崎武志&古本屋ツアー・イン・ジャパン編で文庫化された。その表紙を見ると、古本屋の前に立つ野呂邦暢さんが写っている。
 この表紙の写真の古本屋が、編者の岡崎武志小山力也の二人の対談を読むと、エイス書房であるという。
 ちくま文庫の表紙ではエイス書房とは分かりにくいが、68,69ページの写真の方を拝見すると、エイス書房という店名が確認できる。
 野呂邦暢は東京の神保町、早稲田、渋谷、池袋、荻窪、それに広島の古本屋の写真を撮っていたのだった。68、69ページの見開きページの写真が千田町にあったエイス書房である。広島電鉄の本社のすぐそばにあった。
 70ページの写真が南海堂。間口が狭いが奥行の深い店であった。
 71、72ページがアカデミイ書店。今も健在である。
 101ページの写真が、八丁堀の福屋の8階にあった名画座のようである。

 

 

鼎談集

 1978年~1980年に雑誌「話の特集」に掲載された対談を収録した本、金井美恵子・金井久美子著『鼎談集 金井姉妹のマッド・ティーパーティーへようこそ』を読んだ。
 ゲストに、蓮實重彦武田百合子西江雅之大岡昇平山田宏一、フィリス・バンバウム、篠山紀信巖谷國士平岡正明の各氏が登場して語っている。
 本の装幀は金井久美子さん。
 巻末に、金井姉妹の対談があり、ゲストをめぐる回顧談とエピソードが面白かった。シュールレアリスムをめぐる久美子さんの談話など興味深かった。

 参照:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784120054860

 

 

水仙の花鼻かぜの枕元

 スイセンの花が咲いている。日を浴びたスイセンの花が鮮やかだ。

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 「水仙の花鼻かぜの枕元」

 明治三十年(1897年)の夏目漱石の俳句である。

 『漱石・子規往復書簡集』より俳句を引用。

 

 

うめ折て皺手(しはで)にかこつ薫(かをり)かな

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 晴れ上がって暖かく、最高気温13℃。梅のつぼみがふくらみ始めている。咲いた白梅に鼻を近づけると、ほんのりとした良い香りが漂って来た。

 

 与謝蕪村の句に、「うめ折て皺手(しはで)にかこつ薫(かをり)かな

 

 「波」2月号の新刊案内に、津野海太郎著『かれが最後に書いた本』という三月新刊予定の本があった。気になる本である。

 

 

 

小冊子「新書は独学の友」

 先日、書店で「新書は独学の友」という赤い表紙の小冊子を入手しました。非売品です。

 巻末に95冊の既刊新書のリストがあります。

 表紙に次のように書かれています。

 

 創刊5周年フェア副読本

 独学に役立つ

 インターナショナル新書の情報を

 ご紹介します。

 

 ページをめくると、インターナショナル新書編集長の土屋ゆふさんの「ご挨拶」があり、一部引用すると、

 《最たるものが新型コロナウイルスの感染でしょう。世界中の人々の生活を一変させてしまいました。いまだ「出口」を模索する状態が続いています。

 そのような中で注目しているのが、「独学」への関心の高まりです。ひとりひとりが興味をもったテーマを、独自に学び、理解を深めていく姿勢。コロナに他のさまざまな要素がからみ、混迷と閉塞の度合いを深めていく世の中への、これこそがカウンターとなるのではないかと考えます。

 そこで、「新書は独学の友」をテーマに創刊5周年のフェアを開催することになりました。》

 

水鳥も見えぬ江わたる寒さ哉

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 朝の最低気温が氷点下を記録する。日の出が7時頃で、最高気温10℃。曇りのちに晴れた。川面(かわも)に渡り鳥の群れがとどまって餌を探していた。ヒドリガモの群れである。西風の寒風の吹くなかで、静かにゆっくりと水面を滑るように動き回っていた。ヒドリガモは餌を探して水中に逆立ちをしている。水中にある岩のコケをつついているようだ。

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 「水鳥も見えぬ江わたる寒さ哉」

 与謝蕪村の俳句で、安永6年(1777年)の句です。

 

 新潮社のPR誌「波」2月号の「新刊案内」で、パオロ・コニェッティの『フォンターネ 山小屋の生活』という本に注目しました。翻訳が関口英子さんです。

 《30歳になった僕は何もかもが枯渇してしまい、アルプスに籠った。世界的ベストセラー『帰れない山』の著者が、創作の原点となった山小屋での生活と大自然の美を綴った思索的記録。都市の生活を見直す、21世紀版『森の生活』。》