2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

芝青々伏せれば丸き地球かな

「みすず」3月号の連載「賛々語々」(小沢信男)を読む。120回、タイトルは「松葉杖」。 今月はじめに小沢信男さんが亡くなられた。小沢さんの『東京百景』に所収の句集「東京百景」を読んで偲ぶことにしましょう。 好きな句を選ぶと、 「芝青々伏せれば…

長谷川四郎の『遠近法』のこと

晴れて風がやや強い。花吹雪が一部に見られる。桜のあとにツツジの花が咲き始めている。 先日、古本屋で入手した本で長谷川四郎の『遠近法』を読んでいるところ。 1 事故 2 陳述 3 旅行 4 殺人 四篇からなるオムニバス風の小説作品である。装幀・中井幸…

「白髪(しらが)のアリス 絵日記教室」

晴れて、気温が上がる。最高気温20℃。桜の花があちこちに見られる季節になった。開花したソメイヨシノが目を楽しませてくれる。 「青春と読書」4月号を頂きました。「本の数だけ、人生がある。」集英社の読書情報誌。 新連載、田村セツコの「白髪(しらが…

ミシェル・ピコリ追悼特集

12日から「ミシェル・ピコリ追悼特集」が映像文化ライブラリーで始まった。 上映作品は、 12日、ジャン=ピエール・メルヴィル監督『いぬ』(1962年、フランス、イタリア、109分、白黒、Blu-ray、日本語字幕) 13日、ジャン=リュック・ゴダー…

鵯は花食ひをり我は煎餅を

先日、桜の開花宣言が出た。例年より早かった。春は着実に進んでいる。散歩の途中、鮮やかな赤い花で、ボケの花が見ごろを迎えていた。立ち止まって撮影や観察をする。ボケの木に灰色の一羽の鳥が花をつついていた。花の蜜(みつ)を食しているようだった。…

ヒドリガモとPR誌から

晴れのち曇り。最高気温13℃。川の岸辺に渡り鳥が群れている。ヒドリガモの群れであった。群れに近づく人の気配を感じると、ヒドリガモの群れは川の中央へ向かって静かに滑るように広く散らばってゆく。越冬地から渡りで離れるのはもうしばらく先のようだ。…

文芸漫談から

『すばる』3月号の奥泉光といとうせいこうの「文芸漫談」、大江健三郎の初期の長篇の『芽むしり仔撃ち』をめぐる作品評の対談(漫談)である。 『すばる』の「文芸漫談」のタイトルは「大江健三郎の『芽むしり仔撃ち』。 奥泉 まして今回は大江さんです。僕…