映画「恋するアナイス」

フランス映画の現在 vol.04
ジャン=マルク・ラランヌが選ぶ2020/2022ベストの一本。

ジャン=マルク・ラランヌによるセレクション(「レザンロキュプティーブル」編集長)
企画協力・ジャン=マルク・ラランヌJean-Marc Lalanne。

 シャルリーヌ・ブルジョワ=タケ監督の映画「恋するアナイス」(2021年、フランス、98分、カラー、Blu-ray、日本語字幕)
出演は、アナイス・ドゥムースティエ、ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、ドゥニ・ポダリデス。

「16世紀における情熱」についての博論を書き終えないまま、将来も恋愛も見通しがたたないでいる30歳のアナイス。ある日、アナイスはダニエルという年配の男性とつき合い始めるが、しだいにダニエルの伴侶であるエミリーに魅了されていく。第74回カンヌ国際映画祭批評家週間で注目を集めたシャルリーヌ・ブルジョワ=タケの長編デビュー作。自然の中で解放され、しだいに惹かれ合う二人の女性たちが繊細かつ官能的に描かれている。(パンフレットより)

 上映後、坂本安美氏による映画「恋するアナイス」作品について解説のアフタートークがあった。

 この映画は主人公のアナイスが冒頭から走る走る、エネルギッシュに動く。コメディタッチのエピソードもある。カメラは好奇心と本能のままに生きる悩むアナイスを追いかける。そのなかで出会ったダニエルの伴侶にアナイスは魅了されていく。ラストのはるか海を眼下に望む海岸の大自然を二人が歩む姿が印象的だった。