ロバート・クラウスの『オリバーくん』

オリバーくん

 NHK教育テレビの「新日曜美術館」で、「画家たちに誘われて フランス風景画紀行」という番組を観た。
 十九世紀後半になると、鉄道網が発達して、人々は行楽地へ出かけるようになった。画家もパリのアトリエから出て、今まで題材に採り上げることのなかった平凡な風景を描くようになる。
 それは、今風に言うなら、ブログに写真を撮って載せるようなカジュアルな感覚であったのかな。その辺のことを、風景画が描かれた現場を訪れて、絵と実地とのギャップを見つめるのをライフワークにされているという、アートディレクターの結城昌子さんのお話が、なるほどね、と面白かった。
 
 ロバート・クラウス文/J・アルエゴ、A・デュウェイ絵『オリバーくん』(ほるぷ出版)を読んだ。訳は、はせがわしろう(長谷川四郎)さん。
 ふくろうのオリバーくんの絵本です。
 ロバート・クラウスは1925年に、アメリカのミルウォーキーに生まれ、1945年に、雑誌「ニューヨーカー」に漫画を描きはじめるようになる。二十年間描いた「ニューヨーカー」を去って、1966年にWindmill Books(ウィンドミル・ブックス)という出版社を設立しました。
 自分自身の本だけでなく、ジェイコブ・ローレンス、ホイットニー・ダローJr.、エドワード・コーレン、ノーマン・ロックウェルミッキー・スピレイン(スピレーン)、ウィリアム・スタイグ、チャールズ・アダムズらの本も出しました。
 1980年代のはじめに、ウィンドミル・ブックスを、経営難からクラウスはサイモン&シュスターに譲渡しています。
 亡くなられたのは、2001年です。
 そういえば、「ニューヨーカー」で描いていたソール・スタインバーグも1999年に亡くなられましたね。