福田繁雄のデザインは開かれている

福田繁雄作品集

 今朝の朝日新聞福田繁雄氏死去の記事。ご冥福をお祈りいたします。
 駅の通路にパズルを組み合わせた図形で鳥が飛んでいるタイルの作品があります。これからもタイル絵を見るたびに福田繁雄さんを思い出すでしょう。
 本棚から福田繁雄さんの本を持ってきました。
 『福田繁雄作品集』(講談社)の帯に、次のような言葉があります。

 あり得ない物体の創造主、チャオ福田さん! ―――ブルーノ・ムナーリ
 フクダは陳腐な現実を打ちこわし、たくみな技と豊かな生産力をもって、新たな実体に作りかえる ―――アンドレ・フランソワ 
Fukudaの名前が、遊びのFunと同様〈Fu〉で始まり、Dada(芸術からもったいぶりを取り去ったすばらしい運動)と同様〈da〉で終るのは、果して偶然だろうか ―――ポール・ランド

 本書には、作品論として、中原佑介さんの「福田繁雄と開かれたデザイン」があります。そのなかで、中原佑介さんは福田繁雄のデザインについて、次のように述べていました。

 視覚のもたらす意外性がどれだけ人間に活力をふきこむものであるか、福田繁雄の仕事はそれをはっきりと物語る。その活力源となることこそデザインの機能ではないのかと福田はいう。正当にもそう確信している福田繁雄の仕事がデザイン界のはみだしと見えるのは、なんとも奇妙な事態というべきではあるまいか。福田のデザインは開かれているのである。  313ページ

 参照:毎日新聞の記事http://mainichi.jp/select/person/obituaries/news/20090115k0000e040072000c.html