ツツジとたねむらすえひろ

ツツジ

 ツツジが咲き出した。ツツジの白い花が密集していて遠くから眺めると雪でも降ったかのように見える。

ツツジツツジ属の植物の総称。常緑または落葉性の低木。まれに小高木もある。よく分枝し、枝や葉に毛がある。春から夏、白・紅・紫色などの漏斗形で先の五裂した花が咲く。園芸種も多く、ヤマツツジ・サツキ・レンゲツツジミツバツツジなどがある。 『大辞泉

 松山巖著『ちょっと怠けるヒント』(幻戯書房)の「あとがき」である「ラクガキのあとがき」を読むと、雑誌で季刊誌の『住む』と日経新聞のコラム〈プロムナード〉で半年間毎週書いたエッセイを収録しているが、《さらに思いつきやコジツケをどんどん書き加えました。》という断り書きがある。
 《ちょっと詩歌もつくって遊び、ちょっとラクガキを描いて遊び、本当にラクガキまで本に取り入れました。》
 なるほど。遊びの部分が面白いわけだ。
 たとえば、エッセイに付け加えられた、思いつきやコジツケという筆者の「詩歌」がある。
 「制服はラクか」と題するエッセイで、種村季弘著『ぺてん師列伝 あるいは制服の研究』を引用しながら、

 規律の力は厳しいものだ。制服を着て働く人たちは規律のなかで働かなければならない。その厳しさを知るからこそ、真面目な人ほど制服のトリックにコロッと騙される。

 ここでは大好きだった種村季弘さんを偲んで、詩をつくりました。

  たまに詐欺師のフリもする
  ねは餓鬼大将のタネムラさん
  むらがる仲間と酒を呑み
  らいらく ごうほう タネムラさん
   
  すえひろがりの広く高い学知は見せず
  えらそーな小者を笑い大物も笑い
  ひそかにウワサ話も楽しんで
  ろくでもないのと大笑い  232〜233ページ

ぺてん師列伝―あるいは制服の研究 (岩波現代文庫)ちょっと怠けるヒント