ナツメと十六夜の月

ナツメ

 街路樹のナツメの実が赤く色付いている。完熟した実は赤黒くなり、樹木の周辺に散らばっていた。
 

クロウメモドキ科の落葉高木。葉は卵形で、三本の脈が目立ち互生する。夏、黄緑色の小花をつけ、楕円形の実を結び、暗赤褐色に熟す。実は食用に、また漢方で乾燥させたものを大棗(たいそう)といい、強壮薬に用いる。中国北部の原産。名は、初夏になって葉の芽を出すことによる。  『大辞泉

 引用句は、「竿をもて棗をたたく巡査かな」(高野素十)

 日が暮れると、東の空に十六夜の月が、そのそばに明るく大きな木星が眺められた。
 西空に低く明るく輝いているのは金星かな。
 子規の句に、

 「名月はどこでながめん草枕」(明治二十五年)
 「名月や伊予の松山一万戸」(明治二十五年)
 「無造作に名月出たる畠かな」(明治二十八年)