水上のその水の上を蝶去らず


 晴れた青空に、街路樹のネムノキが咲いていた。淡い紅色の花が満開になって綺麗だ。 
 揚羽蝶が軽やかに、ひらひらと舞う姿も見られる。
 最高気温30℃、最低気温22℃。湿度が低いので風が肌に爽やかだ。

 マメ科の落葉高木。東北地方以南の山野に自生。葉は羽状複葉で、互生し、小葉が数十枚並んでつく。夜になると、小葉が手を合わせたように閉じて垂れ下がる。夏、淡紅色の約二〇個からなる頭状の花をつけ、夕方開花し、紅色の長い雄しべが傘状に広がる。豆果は平たい。  『大辞泉

 「水走る水無月落葉なつかしき
 「水上のその水の上を蝶去らず


 「八景(はけ)の水谷(みや)二句」の前書きがある。
 中村汀女の俳句で、昭和十七年(1942年)の句です。
 八景(はけ)の水谷(みや)とは、熊本市の北部にある遊水池で、汀女が五年振りに帰郷した時に再訪して目にした光景でしょうか。