2日、サクラの開花宣言の日にツバメを初めて見かけた。
桜の開花とツバメの飛来が同じ日であった。
6日、野鳥の青鷺(アオサギ)を川岸の水辺に一羽見かける。
今年四月、新藤兼人監督が100歳を迎えるのを記念し、「新藤兼人 百年の軌跡」をテーマに、作品上映や企画展が開かれている。
6日、新藤兼人監督の映画『生きたい』(1999年、近代映画協会、119分、カラー)が上映された。
出演は三國連太郎、大竹しのぶ、吉田日出子、塩野谷正幸、柄本明、大谷直子、宮崎美子、馬場当、津川雅彦。音楽・林光。
プログラムに、
老父と娘のドラマを描く現代劇に、姥捨て伝説を描く時代劇を挿入するというユニークな構成で、新藤監督が“老い”をテーマにした作品。主人公の安吉は、衰えゆく体を抱えているが娘の世話になることに抵抗を感じ、老人ホームへの入所を決意する・・・。
冒頭、長野県の姨捨駅に一人の老人が降りる。姨捨山が横たわっている。
主人公の安吉を三國連太郎、その娘徳子を大竹しのぶ、姥捨て伝説を描く時代劇で70歳の老女オコマを吉田日出子、その息子クマを塩野谷正幸、安吉のなじみのバーのマダムを大谷直子が演じている。宮崎美子は徳子の友人役で。
安吉が馴染みのバーで失禁して追い出され道端に寝転んでいた。
通りかかった医師(柄本明)に安吉はひとまず病院へ運ばれ、退院できない事情があるなら老人ホームへ行くことを薦められる。
姥捨て伝説を描く時代劇は安吉が入院していた病院にあった本で、安吉が家に持ち帰り読んでいる。
その読んでいる本の物語が劇中劇のように交互に映される。
時代劇ではクマがオコマを背負って姥捨て山へ捨てに行く。
現代劇では徳子が父・安吉の希望で医師(柄本明)の紹介で老人ホームへ(捨てに)行くことにしたのだった。
二つの物語が進行する。
老人ホームに入ったことを知ったバーのマダム(大谷直子)が安吉の預けていたウィスキーボトルをこれ要らないと安吉の家に持って来た。
それに対して、憤慨した娘はマダムのバーに乗り込んで大暴れをし、山の中の老人ホームにいる父安吉を取り戻すべく向かい、父を背負い連れて帰るのだった。
家に戻った安吉のいる部屋へカラスが何羽も現れて集って来るのを徳子が猟銃で撃ち殺し、鳥の羽根が部屋中に舞い落ちるシーンがラストで印象的だった。
映画は深刻であるようにみえてコミカルな可笑しさもある。老いと家族の絆を思わせられる演出に工夫が見られる。