映画『女の一生』

女の一生

 午前7時30分頃、日食が薄い雲の切れ間に見えた。食が最大になった頃だ。
 21日は二十四節気のひとつ小満でもある。草木がしげって天地に満ちるという意味だそうだ。
 19日、「新藤兼人 百年の軌跡」の一本、映画『女の一生』(1953年、近代映画協会、新東宝、70分、白黒)を観た。観客に中高年のご婦人が多かった。
 出演は、乙羽信子、山内明、進藤英太郎杉村春子宇野重吉、日高澄子、菅井一郎、花井蘭子、轟夕起子殿山泰司東野英治郎
 撮影が伊藤武夫、音楽は伊福部昭である。

 5月プログラムを引用すると、 

京都の寺から老舗の牛肉屋に嫁いだ藤子。やがて藤子は夫の浮気に悩まされるが、女将として店を守り、戦争の時代を乗り切っていく・・・。娘時代から初老の母親まで、乙羽信子が女の半生を熱演する。

 モーパッサンの小説『女の一生』を新藤兼人の翻案・脚本で映画化している。
 鑑賞の後、映画通の某さんによると、昭和28年公開時の作品は今日の上映時間の二倍あったという。
 新東宝大蔵貢が、後に再公開されたときにフィルムを半分の短縮版で公開している。
 初公開時のフィルムは現存していないそうだ。残念。
 どうやらそれで、ラストが唐突に終わっていた訳だ。
 まだ続きがあるはずなのに、突然の終りになっている。
 京都御所での学徒出陣の壮行会の場面の悲壮感は迫力があった。