アナーキーなナンセンス詩人

 
 晴天で、空気が乾燥している。日差しは強い。最高気温12℃、最低気温4℃。
 冬至を中心に前後の一ヶ月は昼の時間が短い。
 5日は二十四節気のひとつ小寒である。
 初詣に出かけた。賑わっている神社から外れた寂しい神社へ、山茶花の木々が見事な花を咲かせている。白色、紅色の花弁(はなびら)と常緑樹の葉が寒風に吹かれていた。
 鹿が山茶花の花の周辺に散らばっていた。

 「花ぢやぞ我もけさから卅九
 「元旦、肥後八代正教寺にありて」という前書きがある。
 小林一茶の寛政五年の俳句で、数え年で三十九歳の一茶が九州の肥後の正教寺に居た頃の句のようだ。

 年末に読んでいたのは小原央明編『佐々木マキ アナーキーなナンセンス詩人』で、「佐々木マキ インタビュー」を面白く読んだ。
 

ぼくは自分のことをモダニストだと思うのですが、戦後のモダニズムが退屈なのはやっぱりアメリカ文化だからなんですよね。本当の意味でのヨーロッパ流のモダニズムというのは戦前、それも昭和一〇年くらいがピークだったと思います。同じころに五・一五や二・二六事件が起こって大変な時代になりますが、昭和一〇年ごろの文化は大変豊かでした。当時の芸能雑誌なんかを見るとよくわかりますが、紙も印刷もいちばんきれいで、内容が豊富なのは昭和一〇年ごろなんです。それ以降は戦時色が強くなってどんどんダメになっていく感じがしますね。  122ページ 

佐々木マキ: アナーキーなナンセンス詩人 (らんぷの本)

佐々木マキ: アナーキーなナンセンス詩人 (らんぷの本)