「みすず」読書アンケート

 月刊『みすず』1・2月合併号の「読書アンケート」を手にとってみた。
 2014年に読んだ本の157名へのアンケート調査をしている。
 今読書中の本を挙げている人がいたので驚いた。
 酒井忠康氏(美術史)選のロジャー・パルバース四方田犬彦『こんにちは、ユダヤ人です』河出ブックス、ニ〇一四年である。
 酒井氏は「ユダヤ人をテーマに二人の対話は縦横無尽に世界を駆け巡る。」と説明し、その話題を楽しんで読めたと結んでいる。
 この本での映画をめぐる話が面白かった。


 四方田 イスラエル行きにただ一人だけ賛成した人がいるんです。シャーリー山口。李香蘭です。彼女はイスラエルについてのドキュメンタリーも撮っているし、「あそこは満州国みたいな国よ」と言いました。満州国みたいに、夕日がきれいで、人間に二通りあって一級市民と二級市民がある。満州の日本人と中国人もそうだった、と教えてくれた。彼女はすごく冷静に見ていました。「とにかく行ってきなさい。何も考えずに、とにかく見てきなさい」と言いました。  同書80ページ*1

こんにちは、ユダヤ人です (河出ブックス)

こんにちは、ユダヤ人です (河出ブックス)

*1:李香蘭、女優。戦後山口淑子と名前を変えて映画に再デビューする。黒澤明監督の映画「醜聞(スキャンダル)1950年公開作品で三船敏郎の運転するオートバイに山口淑子が後ろに乗り疾走するシーンが印象的であった。