映画「ダグラスの海賊」余話

 アルバート・パーカー監督の映画『ダグラスの海賊』(1926年、アメリカ、85分、カラー、無声)を活動弁士佐々木亜希子さんの活弁で観ました。
 17世紀の地中海で海賊船に襲われ父を殺された若者は復讐を誓う。彼は自らも海賊の一員となり、一目置かれるようになるが、卑怯な手段で姫を人質にした仲間に戦いを挑む・・・。ハリウッドが生んだ最初のスーパースター、ダグラス・フェアバンクスの代表作で、世界初の本格的長編カラー映画として映画史に残る作品。(パンフレットより)
 大正十五年の公開作品。主演のダグラス・フェアバンクスは当時四十代の前半の年齢で海賊相手の乱闘シーンを演じている。印象的なのが、囚われの身になった姫を救うためにガレー船に仲間を引き連れて救援に向うシーン。
 細長いガレー船に仲間を乗せて救援に向う。
 仲間の数十名がガレー船から海へ飛び込み、もぐって海賊船へ近づく。
 その平泳ぎで進むのを真上から撮影している。
 その数十名の平泳ぎの手足を動かす様子や海賊船へよじ登るシーンが素晴らしい。
 ダグラス・フェアバンクスが海賊の一味になっていた時に、ダグラス・フェアバンクスを助け、また姫を守るべく不眠不休の働きをした片腕の老人のキャラクターが強烈だ。
 丹下左膳を連想させる。

 デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説を引用。

 林不忘(ふぼう)の小説に登場する人物。
 昭和2年「東京日日新聞」に連載された「新版大岡政談・鈴川源十郎の巻」に脇役で登場した片目片腕のニヒルな剣士。好評のため続編「丹下左膳」では主人公となった。のち大河内(おおこうち)伝次郎主演の日活版をはじめとするおおくの映画が製作された。