先日、古書店で入手した雑誌「ユリイカ」1976年8月号を読む。
特集・映画の美学。
種村季弘と山口昌男の対談「映画神話の構造」に、大都映画の女優大山デブ子について語っている箇所があった。
一部引用すると、
山口 イタリアはそうじゃないと思うね。やっぱり風船みたいに繁殖してって、そのなかに男が吸い込まれたいっていう、もうフェリーニが繰り返してるでしょ。こないだのやつもそうでしょ(アマルコルド)、グラディーバって女、でっかいの。結局フェリーニにとってはサーカスもやっぱり大女なんですよね。
種村 そう、大山デブ子なんだ。
山口 だからジェルソミーナなんかも、小さな大女なんだよね。
種村 そうそう。 189ページ
他に、対談で日本の少年少女の大衆文化のなかに入っている表現主義の影響を語っている箇所も興味深かった。山口昌男と種村季弘の見解が少し違うのだが・・・。