絵手紙ではなく「efuto」がある。
「efuto」とは、封筒に絵を描いた封筒のことである。
最初は思いつくまま、遊び心で始めたものが面白くなって、受け取り手のことを思いながらこんな絵を見せたら面白がるかな、といった気持ちで封筒に絵を描く。
きたむらさとしと松田素子の共著『絵封筒をおくろう』(文化出版局)のきたむらさとしの絵封筒に惹かれて、この本を読みました。
この本では、そういった個人的な私信の絵封筒を公開している。
イギリスを中心とした絵本作家たちの「絵封筒ギャラリー」で、デビッド・マッキーの絵封筒があり、ほかに、フィリップ・デュパスケ、フリヴィオ・テスタ、フィオナ・ムーディ、マックス・ベルジュイス、スーザン・バーレイ、アクセル・シェフラー、ビネッテ・シュレーダー、トニー・ロスといった人たちの絵封筒が見れる。
絵封筒をつくることに、切手、宛名、絵、貼る、しかけ、素材といったものを利用した絵封筒の例が紹介されている。
「友達に手紙を送るとき封筒に絵を描く。そんなことが習慣になって、もう二十年になる。」
「この楽しみはいくらくりかえしても、飽きることはない。」と、きたむらさんは言う。
「電子的な通信手段が普及した現代ですが、だからこそ手紙というものが、より人間的なものとして再確認されている気もします。それを包む封筒に絵を描くことで、手紙を送ることを楽しくし、また受け取る人により多くのことを伝えられるのではないでしょうか。」と絵本作家デビッド・マッキー。
この本に紹介されている絵封筒を見ると、ひと目で魅了されて、まねしたくなりますね。「送る」いうよりも「贈る」と呼びたい、と松田素子さんが言うのも頷けます。
ところで、こういう系譜の本は、繰り返し企画されていますね。
たしか、河原淳に『アイデアレター』(保育社)という本があった気がします。
- 作者: きたむらさとし,松田素子
- 出版社/メーカー: 文化出版局
- 発売日: 2007/11/01
- メディア: 大型本
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