アンタレスの夜

 《天然老人生活のブログを始めましたので、宜しかったらご覧下さいませ。》というコメントを7月30日の日記に、秋山祐徳太子氏の勝手に広報部長のdalicoさんからもらった。
 参照:「天然老人生活のブログ」http://yutokutaishi-akiyama.blog.so-net.ne.jp/
 秋山祐徳太子論が展開されている。

 午後八時頃に夜空を眺めると月が南中していた。今夜は上弦の月である。 月の西側に赤く光る星が並んでいる。とても接近していた。
 木星は月の東側に南南東に光っていた。赤く光る星は、調べてみるとアンタレスだった。
 
 それは、さて置き『四方田犬彦の引っ越し人生』(交通新聞社)を読みつづける。
 これまで17回にわたって引っ越しを繰り返してきた物書きの筆者が、「引っ越しした先々での家と土地の印象と記憶を記したエッセイ集である。」
 犬も歩けば棒に当たる、ということわざがある。
 歩いて棒に当たった土地の地形やモノ、出合ったモノや出会った人を回想する筆者の話がとても面白く感じられる。
 こんなエピソードがある。

 わたしは通学の帰り道に、ほとんど毎日のように江口に立ち寄った。(中略)まだ堂々たる恰幅で洋書を漁っている植草甚一をしばしば見かけた。彼もまた江口に行くたびに同じ小僧に会うので、どうやらこちらの顔を覚えたらしい。わたしは、タクシーまで買った本を運んでくれないかと頼まれたことがあった。  36ページ

 江口とは、三宿交差点のところにある古本屋、江口書店とある。
 読んでいて、つぎの箇所にも注目した。
 「おそらくわたしは、貸本屋漫画に熱中した最後の世代であったはずである。」(22ページ)
四方田犬彦の引っ越し人生