「湯川成一の美しい本たち」10

 3月30日に書き留めた聞き書きのつづきです。
 ラジオ深夜便の「こころの時代」で「湯川成一の美しい本たち」と題した放送は、西橋正泰さんによるインタビュー番組ですが、放送の終わりに「湯川成一湯川書房ゆかりの美術家たち」展についての意図と内容の紹介がありました。
 

 西橋 《最後に戸田さん、大阪の画廊で開かれる「湯川成一湯川書房ゆかりの美術家たち」展、この、まっ意図と内容を少しお話いただけません?》
 戸田 《湯川さん亡くなられた後ですね。まっ、湯川書房で仕事させていただいた木口木版画家の柄澤齊(からさわひとし)さん、染色家の望月通陽(もちづきみちあき)さん、それから、えっと画家の岡田露愁さん、で私と、あのー、まぁ福永さんも入っていただいて、まぁ湯川さんの本を一堂に並べて見てみたいという思いもあり、なんかその湯川さんに仕事をさしてもらって、本の世界に関わらせてもらった画家たちが集まって、まぁちょっと展覧会をしたいという風な、思いが強くおこりまして、あのー、だんだんと実現しまして、あのー、やっとこの3月20日(はつか)から4月3日まで、大阪南堀江の「ギャルリ プチボワ」というところで、約40冊の湯川本を初期から最後の方まで並べまして、あとそれに関連して仕事した作品の版画とか、デッサンとかを壁面に展示して、湯川さんを偲(しの)ぼうという。
 でぇ、まぁ皆寄って集(たか)って湯川さんのまた思い出話しようやないかということで、あのー、一般の方にも、本好きの方にも、もちろん美術好きの方にも見ていただきたいなぁと思って、あのー、皆(みんな)仲間が寄って集(たか)って作った展覧会です。はい。》