『ゴダールのマリア』

ジャン=リュック・ゴダール監督特集パ

 6日は、二十四節気のひとつ立夏です。暦(こよみ)のうえで、夏がはじまる日。
 この季節は、ツツジが美しい花で楽しませてくれる。

 
 五月は、昨年の四月に亡くなった北林谷栄さんの「北林谷栄特集」と「ジャン=リュック・ゴダール監督特集」の二つの特集が映像文化ライブラリーで上映される。
 1日、『女は女である』(1961年、フランス、イタリア、84分、カラー)
 3日、『男性・女性』(1966年、フランス、スウェーデン、105分、白黒)
 4日、『ゴダールのマリア』(1984年、スイス、フランス、イギリス、110分、カラー)
 このうち、『ゴダールのマリア』を見に出かけた。初夏のような気温。連休とやらで人が多い。
 プログラムに、
 《11歳の少女マリーに起こった家庭問題を描いた「マリアの本」と現代を舞台に聖母マリアによる処女懐胎を描いた「こんにちは、マリア」の二部構成のドラマ。ゴダール作品の中では珍しく宗教的テーマを扱った作品。数々の映画祭で評価の高いジュリエット・ビノシュの映画デビュー初期の作品。》 
 前半の一篇「マリアの本」LE LIVRE DE MARIEは、ちょっと『女は女である』の本をめぐる引用を連想させるものがあった。
 映画は、湖の見える街を舞台にしている。スイスのレマン湖ではないだろうか。

 前半の一篇「マリアの本」は、アンヌ=マリー・ミエヴィルが監督している。
 後半の「こんにちは、マリア」がジャン=リュック・ゴダールが監督している。
 「こんにちは、マリア」JE VOUS SALUE MARIEは、ゴダールの宗教観といったものをうかがわせる。
 マノエル・ド・オリヴェイラ監督の『神曲』(1991年、142分、カラー)とジャン=リュック・ゴダールの「こんにちは、マリア」を宗教観で比較してみると面白いかもしれない。