高峰秀子特集に通っている。
高峰秀子は1929年(昭和4年)に5歳で子役として銀幕にデビューし、昭和の日本映画とともに歩みつづけた。
今回の特集は映像文化ライブラリー所蔵作品によって振り返ります、とのこと。
そのうちの一本、衣笠貞之助監督の映画『或る夜の殿様』(1946年、東宝、112分、白黒)を観る。
出演は長谷川一夫、山田五十鈴、高峰秀子、飯田蝶子、志村喬、藤田進、大河内傳次郎、進藤英太郎。
脚本が小国英雄である。
プログラムに、
衣笠貞之助監督の戦後第一作。明治の文明開化の頃、箱根の旅館を舞台に、鉄道敷設の利権をめぐる騒動を大らかなユーモアで描く。長谷川一夫、高峰秀子らのスターと、脇を固める飯田蝶子、志村喬らが息の合った演技を見せている。
時は明治19年の箱根の旅館を舞台に、長谷川一夫の書生がひょんなことから、鉄道利権をめぐる人々の駆け引きに巻き込まれ、殿様を演じさせられる。
やがてその騒動が意外な展開をみせる物語なのだが、明るいユーモア・ミステリー風な映画で面白かった。高峰秀子が美しい。
見ていて、マキノ正博監督の映画で、『昨日消えた男』(1941年)という映画があるのだが、その映画にテイスト(味わい)が似ているなぁ、と思ったのだった。
後で、『昨日消えた男』を調べると、やはり脚本が小国英雄だ。
『昨日消えた男』でも、長谷川一夫、山田五十鈴、高峰秀子が出演していて、長谷川一夫(風来坊の文吉)と山田五十鈴(芸者)のやりとりが、『或る夜の殿様』での書生の長谷川一夫と女中の山田五十鈴とのやりとりとどこか似ている感じがする。