朝、明るくなるとセミが鳴き始める。アブラゼミ、クマゼミと競い合うように鳴く。
街路樹にあるナツメの木に実が生(な)った。
公園の池のハスの葉にチョウトンボがとまっていた。
チョウトンボを今年初めて見る。
「炎天を槍(やり)のごとくに涼気過ぐ」(飯田蛇笏)
トンボ科の昆虫。体は黒色。翅(はね)は幅広く、先端が透明なほかは黒褐色で紫青色または金緑色の光沢がある。池沼の上をチョウのように飛ぶ。本州から九州まで分布。 『大辞泉』
梅棹忠夫著『山をたのしむ』(山と渓谷社)を読む。対談が親しめた。
そのうちのひとつ「わかき日の山をかたる」と題した2005年5月12日の講演会、吹田市立博物館にて特別展「足とはきもの」の期間中、聞き手は小山修三氏、途中から山にくわしい藤木高嶺氏も聞き手として参加。
先日の『屋上登攀者』に関連した話があり驚いた。その談話から・・・。
梅棹 藤木さんの先代の藤木九三さんなどが、六甲をひらいた。六甲で主として岩場で、岩登りが始まった。だから関西でも阪神間の人は六甲で岩もやるんです。しかし京都の連中は、岩はあまりやっていない。いちおうできますよ。しかし、むしろ北山で山歩きをやっている。 182ページ
梅棹 それはよく覚えています。飯田から小川路峠という大きな峠を越える。超えると遠山郷、下栗という村。その村の耕地のはしにエノキの大木が何本かあった。そのまわりを華麗なるチョウが舞っていた。それがオオムラサキです。オオムラサキが飛んでいるのを初めて見た。みごとなもんや。大きなチョウですよ。 190ページ
梅棹 わたしは登山家だけれども。基本的に、スタートが自然科学者なんです。
梅棹 本は読みます。でも、それはどこまでも知識の補充やな。本を読まないことには、チョウチョの学名ひとつわからへん。しかし、本の知識というのは所詮それだけのものです。 191ページ
梅棹 夜になったらみな、豪快なたき火をやったな。今は、勝手にたき火したらいけないのでしょう。われわれのときは平気でした。黒部源流なんて、どんなすばらしかったか。流木で大きなたき火をやった。それで一晩中、歌をうとうた。 193ページ
梅棹さんの登山家の原点が北山だった。
一九三六年三高に入学した一年生の夏に三人で南アルプス縦走、南アルプスをおりると、そのまま上高地にはいり、槍ヶ岳にのぼり、黒部源流におりた。
黒部五郎岳、薬師岳にのぼり、有峰にくだった。のちにたびたびゆくようになる。
冬はスキー合宿であったそうだ。

- 作者: 梅棹忠夫
- 出版社/メーカー: 山と溪谷社
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