昭和のはじめ頃の映画には音がありませんでした。 日本では、話芸の伝統を受け継いで、巧みな語り口で映画を説明する「活弁」が発達し、活動弁士は映画館のスターとして人気を集めました。 弁士の語りによって、映画は新たな輝きを放ちます。この機会に、ぜひ「活弁」をご堪能ください。
「夏休み活弁シアター」として映像文化ライブラリーで、無声映画を3本観る。
『日の丸太郎 武者修行の巻』(1936年)
『豪勇ロイド』(1922年)
『ロイドの要心無用』(1923年)
『日の丸太郎』と『豪勇ロイド』は、小学生と中学生の六人が前日から映画を見ながらセリフを考えて台本をつくり、佐々木亜希子さんの指導のもとに、映画を見ながら語りを練習した成果を発表したものだった。
『日の丸太郎 武者修行の巻』は漫画映画である。姉妹二人が活弁する。上映時間5分。
『豪勇ロイド』はハロルド・ロイドの主演のスラプスティック・コメディであった。
女の子二人に、男の子二人が活弁する。上映時間16分版。
10分の休憩の後に、
フレッド・ニューメイヤー、サム・テイラー監督の『ロイドの要心無用』(1923年、アメリカ、67分、白黒、無声)が上映された。
活動弁士は佐々木亜希子さんである。
パンフレットより引用。
出演はハロルド・ロイド、ミルドレッド・デイヴィス、ビル・ストローザー、ノア・ヤング。
デパートの店員のロイドは、壁登りが得意な友人をビルに登らせて店の宣伝をしようと思いつく。しかし当日、友人が逃げたため、ロイドがビル登りをすることになるが・・・。サイレント時代の大スター、ハロルド・ロイドの最高傑作。
ビルの壁を一階、二階と上へ上へとロイドが登って行く。
壁にかかった大きな時計の針にぶら下がるシーンがある。
佐々木亜希子さんの活弁のセリフが方言丸出しでにやりとする。面白かった。
ラストのロイドが屋上まで壁を登り切るまでハラハラドキドキした。
原題はSafety Last。