畔柳二美著『姉妹』のこと

 シャレオ古本まつり二日目、畔柳二美著『姉妹』を見つける。
 畔柳二美著『姉妹』は、先日鑑賞した家城巳代治監督の映画『姉妹』(1955年、中央映画、100分、白黒)の原作である。
 新藤兼人家城巳代治が脚色している。
 
 本のサイズは、113ミリ×177ミリ×14ミリで、ほぼ新書版のサイズに近い。
 奥付に、昭和30年5月25日第1刷発行。
 発行所、大日本雄弁会講談社
 ミリオン・ブックス第一回発売の一冊。
 巻末のミリオン・ブックス広告文に、

牧歌的な北海道の田園に育つ二人姉妹の幼少から嫁入りまでをユニークな筆で描き文壇に新風を送る作品。毎日出版文化賞受賞。

  畔柳二美の『山の子供』は、千歳川発電所を舞台にした作品ですが、『姉妹』の発電所は、

 発電所の川をへだてた向い側の有島農場は、小説家有島武郎氏が大正十一年に解放した農場だ。この村では、一番進んだ解放農場で自作農ばかりが住んでいるが、母は、知りあいの農家の人々の生活を思い浮べながらいった。  146ページ

 という箇所があります。
 調べてみると、北海道虻田郡狩太村(現、ニセコ町)の発電所を舞台にした作品ということになりますね。