森本哲郎さんのこと

 夜7時ごろ、晴れた東の空に満月に近い月がかがやき、月の左上に木星が並んでいた。
 木星がとても明るい。月と木星が夜空にひときわ目立っている。
 冬の大気が、木星を観望するのにちょうどいい時期だ。
 最低気温0℃、最高気温10℃。

 11日、新聞に森本哲郎さんの訃報記事を目にした。 

東京新聞記者を経て朝日新聞記者に。「週刊朝日」副編集長などを歴任した後、1976年フリーとなった。世界各国を訪ねながら、評論家として文明や歴史を考察し、作品にまとめた。(中略)著書にアフリカの砂漠を旅して著した「サハラ幻想行」、ほかに「ことばへの旅」シリーズ、「文明の旅」などがある。

 森本哲郎の本で最近読んだ本では、『吾輩も猫である』が面白かった。文庫になっている。
 森本さんの愛読書、夏目漱石の『吾輩は猫である』のパロディを試みた作品である。


 目次

 前口上
 誕生日
 両横綱
 天才・小次郎
 団塊世代
 犬も歩けば
 パソコン俳句
 人間の性(さが)
 文化崩壊
 仙人志願
 ホモ・ルーデンス
 鼠(ねずみ)の鬚(ひげ)
 キツネ語
 新・今昔物語
 『列子』の叡知
 新暦と旧暦
 百万長者
 「坐忘(ざぼう)」のすすめ
 般若湯(はんにゃとう)の功徳(くどく)
 下戸(げこ)の論理
 人間動物園
 『ペスト』
 世界の読み方
 『ロボット』
 伊織との対話
 人間機械
 「大和(やまと)」失踪
 勝手に生きる
 浅草の奇人
 隠れ蓑
 二十五年という歳月
 独立独歩
 紋付君の「報告」
 尊那和尚の寺
 武蔵の忠告

 文庫版のあとがき

 
 他には、2012年刊の本で、『老いを生き抜く―長い人生についての省察』で、森本さんは若き日の軍隊体験について書いている。

 森本さんが所属する部隊が昭和二十年八月五日に東京から広島の宇品にある陸軍船舶司令部の暁部隊へ出発するところだったが、出発が中止になった軍隊体験のことである。

吾輩も猫である (PHP文芸文庫)

吾輩も猫である (PHP文芸文庫)

老いを生き抜く―長い人生についての省察

老いを生き抜く―長い人生についての省察