川端茅舎(ぼうしゃ)追悼句

 「来し方行方」は、中村草田男の第四句集である。
 「青露変」に先立つ部分は、第三句集「萬緑」に納めし期間の作品中よりの拾遺をも含む、とある。
 中村草田男の昭和十六年に、川端茅舎(ぼうしゃ)追悼句があり、「七月十七日、茅舎長逝の報いたる。」という前書きで、*1


 花に露十字架に露煌と掛かり
 正午の露消え行進曲鳴り響き
 審判の剣に置く露消えしがごと
 露消えし鏡に時世(ときよ)ありありと 
 露に歎く童男童女の声に帰り

 

*1:引用者注記:旧字を一部、新字にて表記。