茅舎忌の大気無盡の風信機


 27日、晴れ、最高気温31℃、最低気温21℃。
 気温が高いが、乾燥した風で爽やかだ。
 28日、曇る。最高気温24℃、最低気温21℃。
 公園の池にハスの葉が大きく育ち、葉の上に水滴が見られた。
 浮いている睡蓮の葉に、水色の節(ふし)が二つ見られるクロイトトンボが居る。
 梅雨の中休み、この時期は昆虫の活動が盛んだ。
 池の縁(ふち)に、シオカラトンボや赤いショウジョウトンボが眺められた。
 シオカラトンボは、近づいても逃げる気配がない。


 「炎天や金(きん)潤ひて銀乾く
 「ひたぶるの喚きの蝉を耳へ当て
 「一雷雲せんなや充ちて充ちて充ちる
 「茅舎忌の大気無盡の風信機
 
 中村草田男の俳句で、昭和十九年(1944年)の句です。
 前書きに「強壮の夏」とあり、十七句あって、はじめの四句。

 「強壮の夏」の後に、(強壮とは不惑と言はんに同じ。)とあります。
 不惑とは四十歳のこと。
 「茅舎忌の大気無盡の風信機」で、風信機というのは風向計であり、大気無盡(むじん)は、新字で大気無尽(むじん)のことです。無尽(むじん)は、いくらとってもとってもとりきれないほど多いという意味ですね。
 茅舎は川端茅舎(ぼうしゃ)で、昭和十六年(1941年)七月十七日に逝く。