春雨や柳の下をぬれて行く

 「波」4月号の森まゆみの連載「子規の音」第十五回を読む。
 明治二十七年の子規を描いている。
 二月一日、「小日本」の編集責任者となった子規は夏目漱石の俳句を掲載した。

 森まゆみさんの文から一部引用すると、

 《二十六号に初めて漱石の俳句が載る。「春雨や柳の下をぬれて行く」》 

 岩波文庫坪内稔典編『漱石俳句集』をめくると、子規の「小日本」(三月二十日)に掲載された俳句がもう一句あった。
 「弦音(つるおと)にほたりと落る椿かな」

         枝垂れ柳(シダレヤナギ)

漱石俳句集 (岩波文庫)

漱石俳句集 (岩波文庫)