行秋(ゆくあき)を踏張てゐる仁王哉

仁王像

 8日は、二十四節気のひとつ寒露で、晴れる。最高気温25℃、最低気温15℃。
 空気は非常に乾燥している。この時期は柿や無花果が出回っている。


 「祭文(さいもん)や小春治兵衛(こはるじへえ)に暮るる秋
 「行秋(ゆくあき)を踏張てゐる仁王(におう)哉
 「古白とは秋につけたる名なるべし
 夏目漱石の俳句で、明治二十九年(1896年)の句です。

 
 「古白とは秋につけたる名なるべし」についての坪内稔典氏の注は、

 「憶古白」と前書。秋の神を白帝と言い、白は秋の色。


 以上の説明ではなにか物足りない感じがする。

 漱石が「憶古白」という前書をこの句につけている。
 古白を憶(おも)う、というのだから、藤野古白を憶(おも)うということだろうか。

漱石俳句集 (岩波文庫)

漱石俳句集 (岩波文庫)