蔦の芽の風日にきざす地温かな

 5月6日は、二十四節気のひとつ立夏である。
 青葉の香りを漂わせた気持ちのよい風が吹く。晴れている。
 歩道脇のクローバーの群生地にハルジオンが咲いていた。
 花に蜂が飛び回っていた。

 「軒菖蒲庭松花をそろへけり

 飯田蛇笏の俳句で、昭和十二年(1937年)の句。

 前書きは、「山廬端午」とある。
 端午(たんご)は軒(のき)に菖蒲(ショウブ)をさす。
 男の子の節句、祝いの日。かしわもちやちまきを食べる風習がある。 
 飯田蛇笏は、この句の前に「蔦の芽の風日にきざす地温かな」と詠んでいる。
 「山廬庭前」の前書きがある。