四ツ橋やどろ舟遅々とはるの昼


 ツツジが咲き出したが、まだ多くのツツジはつぼみである。

ツツジツツジ属の植物の総称。常緑または落葉性の低木。まれに小高木もある。よく分枝し、枝や葉に毛がある。春から夏、白・紅・紫色などの漏斗形で先の五裂した花が咲く。園芸種も多く、ヤマツツジ、サツキ、レンゲツツジミツバツツジなどがある。ツツジ科の双子葉植物は約一四〇〇種あり、温帯・寒帯地域および熱帯の高山に分布し、シャクナゲアセビ・コケモモ・エリカなども含まれる。  『大辞泉 


 「心斎橋筋寒々居即事」の前書きにつづいて、

 「春宵の枕行燈灯を忘る
 「四ツ橋やどろ舟遅々とはるの昼
 「春の夜をはかなまねども旅の空
 
 飯田蛇笏の俳句で、昭和六年(1931年)の句である。
 心斎橋、四ツ橋と地名があり、蛇笏が大阪へ旅行に出かけたときの句でしょうか。