種村季弘単行本未収録論集『詐欺師の勉強あるいは遊戯精神の綺想』の巻末の「解題」と「種村季弘略伝」を齋藤靖朗氏が書いている。
冒頭の「落魄(らくはく)の読書人生」は、青年向けの講演を文章にしたもののようだ。
原題は、「この世はぺてんとデカダンス・・・・・・ああ、落魄の読書人生」で、種村氏の若いときの体験が語られている。
一部引用してみる。
《若い人って、新しいもの、今までになかったものに関心を持つでしょ。ただそういうものの中には、マスコミとかがお膳立てしたガセネタが当然あるわけだよ。それをどうやって見分けるかは、詐欺師の勉強をやればわかる。》 31ページ
《そういう意味では、本を読むことだって、目的化しない方がいいと思うんだ。
幸田露伴って人は大変博学な人で・・・・・・氷っていうのは、いっぺんに凍るんじゃなくて、水の上にゴミが浮いていて、それがまず凍る。それがいくつもできて、それが線でつながって、一気に氷になるわけ。だから知識っていうのも。本なんかを点々と読んでいくんだけど、ある瞬間にそれがバッとつながるってなことを言ってる。》 32ページ
詐欺師の勉強あるいは遊戯精神の綺想 種村季弘単行本未収録論集
- 作者: 種村季弘
- 出版社/メーカー: 幻戯書房
- 発売日: 2014/07/26
- メディア: 単行本
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