チョウトンボと講演「書くことの幸福」

 
 公園の池にチョウトンボを見つけた。ハスの葉にとまっている。
 仲間のチョウトンボがやって来ると、ハスから離れて仲間の方へ飛んで行く。
 しばらくすると戻って来て、ハスの葉に舞い降りる。飛んでいる姿はひらひらと翅を動かして舞い、蝶(ちょう)の飛び方に似ている。
 本州から九州まで分布する蝶のようで、北海道では見られないのかな。

 

トンボ科の昆虫。体は黒色。翅(はね)は幅広く、先端が透明なほかは黒褐色で紫青色または金緑色の光沢がある。池沼の上をチョウのように飛ぶ。本州から九州まで分布。  『大辞泉


 「文學界」8月号が没後50年、「大特集・谷崎潤一郎の愉楽」である。手にとってみた。
 「書くことの幸福」(金井美恵子)を読む。
 神奈川近代文学館での「谷崎潤一郎的幸福――あるいは、書くことの幸福と作家たち――」と題された講演を収録しているのだった。
 
 話題が蔵書の全集本の話や谷崎潤一郎の作品論やもちろん映画の話などや昭和の小説家をめぐる回顧など興味のつきない講演録でした。
 金井美恵子さんの時に辛らつユーモラスな幸福感ある講演であります。
 一部引用してみます。

 《ある小説家の小説やエッセイを読むということは、複数の小説を読むことであり、複数の小説家を知るということでもある。複数の小説家の文章を読みながらでないと、一人の作家の全体像には近づけないのではないかと思います。  
 そうそう、谷崎潤一郎の全集が出るという話を聞いて私がまず思ったのは、読売新聞がついてたって中央公論はまたつぶれるのではないかということでしたね(笑)。いま谷崎の全集を、買ってまで読む人がどれくらいいるのか。》

参照:「文學界http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/index.htm