「町を歩いて本のなかへ」から

チョウトンボ

 公園の池を訪れた。昆虫が盛んに動き回る季節である。
 池の周辺は旅行者も盛んに歩き回っていた。
 静かな水面からスイレンの花、伸びた茎の先に大きな葉っぱのハスが眺められる。
 チョウトンボがあちこちとハスの葉に止まっていた。
 光沢のある黒い翅(はね)の色が美しい。
 チョウトンボに見とれていると、周りにいた旅行者が私の帽子の方を指して英語で何やら言っている。帽子に蝶が止まっているらしかった。蝶は帽子に付いて離れない。珍しいので撮ってあげると言うので帽子に止まっているのを撮ってもらった。
 帽子を脱ぐと蝶は離れて飛び上がった。ベニシジミであった。
 

トンボ科の昆虫。体は黒色。翅(はね)は幅広く、先端が透明なほかは黒色で紫青色または金緑色の光沢がある。池沼の上をチョウのように飛ぶ。本州から九州まで分布。  「大辞泉

 六月の末に書店の読書論の棚で見つけた新刊の南陀楼綾繁著「町を歩いて本のなかへ」を入手して読んでいる。同じ読書論の棚では最近読んだのは大井実著『ローカルブックストアである』だ。
 福岡の書店主でカフェ、イベント、それからパンの製造販売と本屋さんの経営をめぐる大井さんの自伝的な文にぐいぐい読まされた。
 出版と書店の未来を見つめ考察している本だ。
 さて、南陀楼綾繁著『町を歩いて本のなかへ』で、「写真散歩」の「本の匂いを求めてさまよう」の写真を眺めていると、源蔵バスセンター店があった。
 伊丹万作著・大江健三郎編「伊丹万作エッセイ集」の書評に注目した。南陀楼さんの松山の伊丹十三記念館訪問記。

町を歩いて本のなかへ

町を歩いて本のなかへ