凧あげと漫画の印税

 鶴見俊輔特集が『現代思想』10月臨時増刊号で出ていた。
 参照:http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791713066

 7月24日の朝に、ニュースで鶴見俊輔氏が亡くなられたと知る。

 鶴見俊輔氏の本で、初めて買った本はなんだったろうか。
 平凡社の「現代人の思想」7 大衆の時代、という本ではなかったか。鶴見俊輔氏が編集・解説をしている。この本に多田道太郎「複製芸術について」、佐藤忠男「少年の理想主義について」が収められている。
 
 それから、鶴見俊輔著『北米体験再考』(岩波新書)が出た。
 この新書の終章の冒頭に、《一九七一年の五月五日、こどもの日に、ベ平連の仲間と一緒に山口県の岩国で凧あげをした。》とはじまる鶴見氏の短い文章がある。

 この顛末を書いた中川六平著『ほびっと 戦争をとめた喫茶店』にも鶴見氏の文があり、運動資金は筑摩書房から出した「現代漫画」のシリーズが大いに売れてその印税を使ったという。
 京都から広島へ裁判に何度も通ったとは知らなかった。
 そういえば「現代漫画」は、鶴見俊輔佐藤忠男北杜夫の三氏が編者である。
 運動資金が漫画の出版の印税だったというエピソードにはちょっと驚く。

北米体験再考 (岩波新書 青版 F-99)

北米体験再考 (岩波新書 青版 F-99)

ほびっと 戦争をとめた喫茶店-ベ平連1970-1975 in イワクニ

ほびっと 戦争をとめた喫茶店-ベ平連1970-1975 in イワクニ