書店閉店と『みすず』読書アンケート

 先月の下旬に寄った金正堂に今日寄ったところ閉店を告げる張り紙が・・・。
 シャッターが閉まっていて、一月三十一日に店売りを終わりました、という張り紙。
古くから通っていた老舗書店の閉店は残念だ。街のシンボル的な書店のひとつだった。
 PR誌もよく頂いた。昨秋の大型書店の開店が影響か? 
 
 昨日、ネットで川本三郎・原作の映画『マイ・バック・ページ』の予告編を観た。
 短い予告編を見た限りでは、当時の情景をよく再現している感じだ。
 公開は5月28日である。

 『みすず』1/2月合併号、読書アンケート特集は、各人が5冊挙げている。

 山田稔氏が、中川六平著『ほびっと 戦争をとめた喫茶店 ベ平連1970―1975in イワクニ』(講談社)を。
 ちょっと意外である。で、これは川本三郎著『マイ・バック・ページ』と重なる時期の本ですね。
 
 原武史氏が、黒岩比佐子著『パンとペン』を。
 「黒岩さんは私が卒業した東久留米市立第七小学校の四年先輩であった」そうで、「松本清張につき電子メールで質問が来たのに、きちんと答えることができなかった自らの不明を恥じるほかない。」
 黒岩さんは北多摩郡久留米町時代の小学生だったのかしら。
 
 鶴見俊輔氏が、内山節著『共同体の基礎理論』を。
 タイトルを見て難しそうに見えるが、とても読みやすい。
 鶴見さんの『たまたま、この世界に生まれて』で、触れておられる土法という言葉で言い表そうとしているのが、内山さんの本で語られているのと重なっているゆえに、鶴見氏が選んだのだろうか。
  
 坪内祐三氏が、松山俊太郎著『綺想礼讃』を。
 南方熊楠礼賛者に冷や水をかける蓮をめぐる論考もある。「法華経」の話は専門的。
 若かりし日の種村季弘を語るエピソードが興味深い。
 稲垣足穂と松山俊太郎の対談が収録されている。
 足穂ファンには必読の対談だろう。

綺想礼讃

綺想礼讃

 斉藤成也氏が、梅棹忠夫・小山修三著『梅棹忠夫 語る』を。
 梅棹氏の語る挫折についての回想、それと自らを老荘の徒ということに注目したのだった。 
ほびっと 戦争をとめた喫茶店-ベ平連1970-1975 in イワクニ  パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い 共同体の基礎理論―自然と人間の基層から (シリーズ 地域の再生)  梅棹忠夫語る 日経プレミアシリーズ