原武史の「鉄道ひとつばなし」特別版「父と鉄道」(下)

 講談社のPR誌「本」2月号の原武史の「鉄道ひとつばなし」を読んだ。
 特別版「父と鉄道」(下)で、1月号の「父と鉄道」(上)のつづきである。

 一九四五年(昭和二十年)の空襲で芝区田村町(現・港区西新橋)の家が消失したことから、父は祖父や祖母らとともに、川崎市上丸子天神町にあった祖母の実家に移り住んだ、という。

 その最寄り駅が東急東横線の新丸子で、この駅をめぐる話が興味深い。
 『生きて帰ってきた男』に登場する小熊謙二さんの富士通信機製造に勤めていたときには、新丸子から武蔵小杉まで歩いたという話を、原武史さんは『生きて帰ったきた男』の著者に直接確認したところ、そうだったことが判明した、という箇所である。

 小熊英二著『生きて帰ってきた男』でいうと、「第1章 入営まで」の47ページから48ページにかけて新丸子駅に言及されている。