肩にある落花の色は濃かりけり

コバノミツバツツジ

 公園や庭園の桜は満開でそぞろ歩きの人々が多い。海外からの旅行者も増えた。
 庭園にコバノミツバツツジが満開であった。

 「病院の静かに混める花曇
 「肩にある落花の色は濃かりけり
 「輝きし落花花間にまぎれたり
 
 中村汀女の俳句で、昭和十五年(1940年)の句です。
 

 新潮社のPR誌「波」4月号の連載「やりなおし世界文学」(津村記久子)が、ジェイムズ・ヒルトン「チップス先生、さようなら」について書いている。
 《わたしは一九七八年生まれで、先日三十九歳になったのだけれども、けっこういよいよというか、年下の世代との齟齬を感じることが多くなってきた。》
 《自分もこういう邪魔にならない人になりたい、と読了し今はしみじみ思う。老いる、ということは、いかにいろいろなことが自分の横を通り過ぎていくことなのか。そのことがしみこむように感じられる小説である。》
 来月(5月)の新刊に、金井美恵子著『カストロの尻』が出るようです。

カストロの尻

カストロの尻