集英社のPR誌「青春と読書」の新連載

 集英社の「青春と読書」4月号に「わたしの神聖なる女友だち」(四方田犬彦)というタイトルの新連載が始まっていました。

 《男と女の間には友情はなりたつのだろうか。男は女のどこに学び、どこに敬意を抱きつつ、自分を造り上げていくのだろうか。花火のような恋愛とはまったく違った形で、両者は純粋な信頼関係を生きることができるだろうか。
 わたしはこうした問いを前に、自分がこれまでに出逢った女性の友人たちのことを考えている。》(冒頭より引用)


 第一回・ガールスカウトの女の子。

 『遊女の文化史』の筆者・佐伯順子さんをめぐり、四方田さんの通っていた小学校が同じだったり、共にボーイスカウトガールスカウト活動を経験していたという体験談や、「親密感」の由来が何であるのか述べられている。その謎をめぐる話が興味深い。

 
 《わたしはここで文化研究家としての佐伯順子を論じたいわけではない。わたしの目下の関心事は、わたしが彼女に感じる親密感がいったい何に由来していたのだろうということである。
 あるとき謎が解けた。何かの話の途中で、わたしたちが同じ小学校の出身であることが判明したのである。えーっ、まさかあ? そういえばどことなく順子さんの話ぶりには、わたしが幼い頃から聞き親しんでいた、阪急沿線の大阪弁の響きがある。なんだ、そうだったのかあ。それ以来、彼女はわたしのことを「先輩」と呼ぶようになった。なんだか不思議でおかしい。》14ページ

 筆者の幼い頃から親しんでいた阪急沿線の大阪弁に親密感の由来があったというのですね。

 参照:http://seidoku.shueisha.co.jp/2204/index.html