宮脇俊三の『アンデスの高山列車』とマチュピチュ

 ロバート・レッドフォードが制作総指揮した映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』では、若きゲバラ青年がアルゼンチンのブエノスアイレスから友人と2人でオートバイ旅行に出発する。パタゴニアを経てチリ、ペルーと旅を続けるのだが、途中インカ帝国の首都クスコとマチュピチュの遺跡を訪れるシーンがある。このシーンがいい。
 どちらも世界遺産で観光地でもある。そのクスコとマチュピチュを訪れた宮脇俊三の鉄道紀行『アンデスの高山列車』を思い出した。
 体調を心配しながらの宮脇俊三さんの鉄道紀行は、読みながらはらはらするが、不思議とユーモアがある。
 チチカカ湖まで来る機会に恵まれたものだという幸運を噛みしめる宮脇俊三さんの気持ちが分かるなあ。