厳島神社の舞楽、世界遺産への旅行者

延喜楽

 夕方、友人宅へ寄らせてもらう。2月の下旬パートナーを亡くされて今は一人。しばし亡き人の思い出話。葬儀のあった日は寒い日だった。あの日の帰り道、国道沿いの道を何キロも歩いていたのだった。道草をしながら・・・。途中、橋から下の川を眺めたら水鳥が二羽浅い水辺の緩やかな流れに浮かんでいた。少し離れて他にも鴨たちが水に浮かんで動きまわっていた。行く川の水は絶えずして、しかももとの水にあらず。
 その友人に連れられて厳島神社舞楽を初めて観に行ったのだった。亡き人も一緒だったかな。
 ちょうど一ヶ月前(4月15日)に宮島で桃花祭があり、舞楽を観に出かけた。昨年の台風で高舞台が壊れて、10月15日の菊花祭の舞楽は本殿で行われたのだったが、今回は以前のように高舞台で始まっていた。夕暮れ時の舞楽、いいなあ。厳島神社に早足で着いた時に、延喜楽を4人で舞っていた。観客は高舞台を取り囲んで50人くらい。いつもよりやや多いかな。年々、外国からの観光客が熱心に見に来ているようだなあ。世界遺産とは言いながら、実際に舞楽を観ている人はいつもこの位の人数。しかも海外からの観光客の方々が熱心に事前の勉強もされているようですね。この夜の観客で、隣りでデジカメの女性は、ロンドンから来たと言う。名前はソフィー。イギリス人かと問えば、「いえ、フランス人です。」と言う。昨年は京都、奈良、鎌倉の観光、高尾山の火渡り神事にも参加したとも。今日は、宮島の大聖院での火渡り神事に飛び込みで参加したと言うので、足の裏はと問えば、熱くなかったわと答える。雅楽が右楽房の建物で演奏されていた。左にあった左楽房の建物と床はすべて無くなっていた。台風で壊されたためだ。
 このロンドンで募集されたツアーは、なかなか日程をうまく考えている。4月15日に宮島の桃花祭。その翌日から二日間、実は厳島神社にある能舞台で能の役者が全国から集まって演じるのだ。それを誰でもが自由に観ることができる。以前観に出かけたが、それはそれは多くの人が観に来られていた。西回廊から満潮なら海を隔てて能舞台を観る。海に浮かぶ能舞台。いいでしょう。