新春 「辻占福寿草」

辻占福寿草

 新年明けましておめでとうございます。
 お雑煮とおせちをいただくと、いかにも正月らしいのびやかな気分になる。
 わたしのところの雑煮は、澄まし汁で餅は丸餅である。具は牡蠣と三つ葉と蒲鉾のスライスしたもの。
 暮れにいただいた金沢の諸江屋の「辻占福寿草」という菓子。
 初めて見るので、そのまま食べてしまった。口のなかで何やら噛み切れない感じがする。吐き出してしまう。
 しばらくして気がつく。菓子の中に紙切れが入っているのだ。
 ははっ、これは御神籤(おみくじ)のような菓子なのだ。袋の中に《昔から金沢名物「辻占福寿草」は粋で可愛らしい縁起菓子です。》と赤い紙が入っている。
 手で丁寧に菓子を剥がすように開けると、御神籤のような紙が現われた。
 折りたたまれている。丁寧に開く。ひとつひとつ謎かけ文がある。

かならずおいで
おもいがよい
むねがやすまる
ほれたなか
ねてはもおかる
たよりをまつ

 うーん。可愛らしい縁起菓子だ。食べる楽しみ、御神籤(おみくじ)を引くような楽しみ、遊び心のある縁起菓子。
 夜、NHKラジオの「ラジオ名人寄席 新春特別興行」で落語を聴く。
 八代目林家正蔵の「鰍沢」、三代目三遊亭金馬の「真田小僧」の落語を堪能する。正蔵の「鰍沢」は古今亭志ん生のとはまた違った芸風だ。
 その後、「日本の自画像」というタイトルの番組。三夜連続で放送されるらしい。
 ラジオ深夜便で「“品格”は国語とユーモアから」と題して藤原正彦さんへの新春インタヴューを聴く。聞き手は遠藤ふき子アナウンサー。