荒川洋治の「スクラップの楽しみ」を聴く

トンボの抜け殻

 快晴で北から吹く風の強い日である。空気が乾いていて、朝晩の風が肌寒い。
 蓮と睡蓮のある公園の池に寄り道する。雨が降る前日とか蒸し暑い日には、蛙が盛んに鳴いているのだが、今日はぴたりと静かである。蛙の肌はこの乾燥した肌寒い風が苦手なのではないだろうか。
 池の中に生えている葦(あし)の茎に、トンボの幼虫のヤゴの抜け殻が残っていた。
 大きな抜け殻なので、先日見かけたオニヤンマのものかもしれないね。
 夜、NHK教育テレビの「視点・論点」で、荒川洋治の「スクラップの楽しみ」と題した話を聞いた。新聞や雑誌の記事を切り抜くことが大事なのです。切り抜いた記事をスクラップする。その作業はむつかしいものです。日記に似ています。私の場合、文学や歴史にかんする記事が多いことに気づきます。その作業は、日記のように純粋な個人に立ち返ったときに似ています、といったような話をされていて、印象に残る。