M字形のカシオペヤ座のこと

紫蘇の花

 春に植えていた紫蘇に、白い花が咲いているのに気づいた。余りにも小さな花なので、うっかり気づかなかったのだ。
 そばで、観察する。葉を摘んでみる。うーん。紫蘇の香りがほんのりする。
 十日の日記に書いたカシオペヤ座について。この日の夜半に見たカシオペヤ座は、五つの星がM字形に見えたのだった。
 だが、日記では、逆W字形と書いておいた。カシオペヤ座といえば、Wの形をしているという説明が一般的なので、そのように書いたのだった。
 しかし、どうも腑に落ちない。それで、野尻抱影の本で『星の神話・伝説』(講談社学術文庫)から、「カシオペヤ座」のところを開いてみた。あっ、なんだ。そうだったのか。
 「十一月・十二月の星空」から一部引用すると、

星の描くW字
 これは今ごろ北の天の川の面で、五つの星(二等・三等)があざやかなM字形を描く星座です。
 まだ低い間はWに見えるので、『天上のW』といわれます。また、神話にもとづいて、カシオペヤの『女王のイス』ともいいます。
 日本の漁夫は、これを船のイカリの形と見て、イカリボシといい、また、二つの山形により、ヤマガタボシとよんでいる地方もあります。  182ページ


 ううむ。自分の目を信じていいんだなぁ。それで、M字形と訂正する。
 読みはじめた、堀江敏幸の新刊『アイロンと朝の詩人』*1中央公論新社)から「電子レンジ」を読んだ。ボタンひとつで、炊き上げる米もあるが、鍋で炊いて食べる米もある。ゆっくり読むのに向いている本もあれば、そうでない本もある。