笠智衆ごのみ

タンポポ

 午前、予約していた歯科へ。道端にタンポポが咲いていた。さわやかな風が南から吹く。
 タンポポの白い綿毛があちこち草むらにあり、ハナミズキの花も白や淡紅色で目を楽しませてくれる。
 午後、散歩の途中にあるT古本屋の店頭棚から二冊100円の文庫を見る。一冊だと100円なので二冊買う。
 畑正憲『続ムツゴロウの博物誌』1979年第4刷(文春文庫)。
 畑正憲『続々ムツゴロウの博物誌』1984年第9刷(文春文庫)。
 いずれもカバー・本文イラストは長新太。どちらも1刷は1975年。「続」の解説は園山俊二。38点も長新太のイラスト入りである。
 「続々」の解説は星新一。こちらも35点もの長新太のイラスト入りである。
 二冊で73点も長新太のイラストを眺められて、それと園山俊二星新一の解説に満足。
 店内は棚卸しの最中で、単行本の棚へは行けず、狭い通路の文庫本の棚から一冊買う。これは100円棚から。
 どのくらい狭いかというと、一人しか通れない。一番下の棚を見るためには、しゃがまなければならない。首を90度曲げて床にぐっと近づけて見るのだ。
 中野翠『偽隠居どっきり日記』2000年(文春文庫)。
 この文庫で中野さんが、笠智衆をめぐって、渋谷実監督と組んだときの笠智衆小津安二郎監督と組んだときの笠智衆のイメージの違いを書いていて興味深い。
 中野翠の『小津ごのみ』(筑摩書房)はまだ読んでいないが、できればこれは五月から始まる、映像文化ライブラリーでの「名作映画 笠智衆特集」を観ながら読みたいものだ。
小津ごのみ