湯豆腐

 NHK教育テレビの「新日曜美術館」で、王羲之(おうぎし)の書「蘭亭序」(らんていじょ)がなぜ書の最高峰といわれるのかを興味深く観る。
 ゲストに書家の石川九楊、柿沼康二のお二人が出演。「蘭亭序」の魅力を語る。
 ひと言で言えば美しい。書き手の胸のうちまで伝える書である。
 書くことの出発点が王羲之の中にある。
 日本の書は、王羲之一辺倒だった。楷書、行書、草書の基本を作ったので(これからも)王羲之の書法をベースにして行くんではないでしょうかね。
 参照:王羲之「蘭亭序」http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2008/0824/index.html

 週末は四方田犬彦・也斯『往復書簡いつも香港を見つめて』(岩波書店)を読みはじめる。
 香港と東京についての、それぞれの思い描いてきたことが語られている。面白い。
 巻末に「食べ物の言葉」という也斯(イェー・ス)の詩を四方田犬彦訳で読める。
 一番最後の「湯豆腐」という詩が気に入る。高野豆腐に、こういう使い方があるとは知らなかった。
 「こっそりと半合の酒が染みこませてあるんだぜ!」
往復書簡 いつも香港を見つめて