白梅とフレデリック・ワイズマン

ボクシング・ジム

 
 二十四節気のひとつ啓蟄(けいちつ)が、5日であった。 
 先日から、公園の梅の木に白い花が咲き始めている。匂いに引かれて白梅を観察した。
 『大辞泉』によると、バラ科の落葉高木で、早春、葉より先に白・淡紅・紅色などの香りの強い花を開くとある。まだ蕾(つぼみ)が多いので、これからが楽しみだ。
 『大辞泉』の引用句は「二もとの梅に遅速を愛すかな」である。
 与謝蕪村の句が引用されていた。安永三年の句である。
 明和八年の句に、「風鳥のくらひこぼしや梅のかぜ」という句もありますね。

 9日、フレデリック・ワイズマン監督の映画『ボクシング・ジム』(2010年、91分、カラー、日本初公開)を見に寄った。 
 シネマテーク・プロジェクト第4弾「フレデリック・ワイズマンのすべて」からの一本。
 ボクシング・ジムに通ってくる様々な人の練習風景を撮影している。
 プログラムによると、テキサス州オースティンのボクシング・ジムを撮影している。
 このジムは、元プロボクサーのリチャード・ロードが16年前に開いたジムで、ここにやって来る様々な人々の出会いと練習風景のドキュメンタリー映画である。
 ラストに、この映画でも月が映された。
 ワイズマン監督は月が好きな人かもしれない。
 日本語・字幕、齋藤敦子。
 原題はBoxing Gym。