曙のむらさきの幕や春の風

シロツメクサ

 通りの歩道に沿って一面にシロツメクサ白詰草)が群生している。白い花の中に淡紅色も混じっている。見事な花畑である。
 蕪村の句に、「曙(あけぼの)のむらさきの幕や春の風」。

 マメ科多年草。茎は地をはい、三枚の小葉からなる複葉。夏、葉の付け根から花柄を伸ばし、白い小花を密集してつける。ヨーロッパの原産で、牧草などとして栽培もされるが、野生化している。名は、江戸時代に渡来したギヤマンを入れた箱の詰め物に使われたことによる。クローバー、オランダげんげ、つめくさ。  『大辞泉

 昨夜、NHK教育テレビETV特集で「鶴見俊輔 戦後日本 人民の記憶」という番組を観た。聞き手は黒川創さんで、2008年9月、10月、11月、12月の四か月の期間に行われたインタビューである。
 『日米交換船』(新潮社)の聞き手は加藤典洋黒川創のお二人だったが、今回は聞き手は黒川さんだった。
 アメリカ時代の鶴見さんや姉の和子さんの写真、昭和17年の日米交換船のニュースフィルムなどが見られた。
 交換船で帰国したあと、すぐに徴兵検査があった事情なども語られる。志願して海軍に入り、ジャカルタの海軍武官府での勤務時の体験談が語られた。
 戦後、雑誌「思想の科学」の創刊の逸話で、創刊時の七人のメンバーや誌名を決めたいきさつが興味深い。