先月28日、「国際アニメーション・デー2011in 広島」から7作品を観る。
1、ラオ・ヘイドメッツ監督『インスティンクト』(2003年、エストニア、10分28秒)
2、クロード・リュエ監督『スクエア・オブ・ライト』(1992年、スイス、4分56秒)
3、ヴァレンティン・オレシュヴァング監督『ピンク・ドール』(1997年、ロシア、10分18秒)
4、ティム・マクミラン監督『ファーメント』(1999年、イギリス、4分54秒)
5、フィリップ・ビリオン監督『ピリオド』(1995年、フランス、1分46秒)
6、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督『お坊さんと魚』(1994年、オランダ、フランス、6分25秒) 7、シルヴィアン・ショメ監督『老婦人とハト』(1996年、カナダ、23分9秒)
ラオ・ヘイドメッツ監督のアニメーション『インスティンクト』は、冒頭、大きな平たい皿のような円板状の大地が、大空に浮かんでいる。
その土地は、直径はおおよそ数百メートルくらいの土地であろうか。
へんてこりんな頭部をもつ人物(?)が、粘土をこねくり回して「もの」や「生き物」をつくって、壊すのを飽きもせずに繰り返している。
粘土でたまに気に入った造形物(象とかキリンとかの動物)ができると、その粘土でできた造形物に、砲丸のような重りをつけた長いヒモをくくりつけて、その砲丸を平皿のような大地の外へ、空中へ投げ出すのだった。
その砲丸が大地の端(はし)から落下する。
その落下する力で下に引かれて、くくりつけられた象とかキリンは、トコトコと動き出す。
大地の端(はし)にまで、象やキリンが来ると立ち止まる。
そんなことを繰り返している光景が展開される。
ところが、あるとき粘土で人間の女を創ると、突然、その粘土の頭部に取り外しのできる目玉を入れるや造形物が自発的に動き出すようになった。
粘土で人間の男を創ると粘土の女が勝手に男の頭部に目玉を入れて勝手に動き出すのだった。しだいに取っ組み合い騒々しくなって行く。
ラストは、人間誕生の寓話的な物語のはじまりを思わせるが、ちょっぴり人類(?)の未来にたいする作者の皮肉が混じっている。それも苦い味で・・・。