時代劇特集、「宮本武蔵」

続 宮本武蔵 一乗寺の決斗

 今月(2月)は「時代劇特集」に通う。
 1日の山本嘉次郎監督の『エノケンのちゃっきり金太』(1937年、P.C.L.映画製作所、72分、白黒)と4日の萩原遼監督の『笛吹童子 第二部 妖術の斗争』(1954年、東映、44分、白黒)を観たあとは、8日から10日まで、稲垣浩監督の「宮本武蔵」三部作を観る。

 1月プログラムから引用。
 『宮本武蔵』1954(昭和29)年、東宝、93分、カラー。
 出演は三船敏郎三國連太郎八千草薫岡田茉莉子
 稲垣浩の監督で、三船敏郎が武蔵を、八千草薫がお通を演じた「宮本武蔵」三部作の第一部。幼なじみの本位田又八と一緒に関ケ原の合戦に加わり敗走した武蔵。彼が、沢庵和尚の教えを受けて、剣の修業に旅立つまでを描く。アカデミー賞外国語映画賞受賞。

 『続 宮本武蔵 一乗寺の決斗』1955(昭和30)年、東宝、103分、カラー。
 出演は三船敏郎鶴田浩二木暮実千代水戸光子
 第二部は、鶴田浩二扮する佐々木小次郎が登場し、ドラマは佳境に入る。鎖鎌の宍戸梅軒を倒した武蔵は、京の都を舞台に吉岡一門との闘いを繰り広げる。勝敗を決める一乗寺の闘いでは、武蔵は二刀流で大勢の門弟を倒していく・・・。

 『宮本武蔵 完結篇 決闘巌流島』1956(昭和31)年、東宝、104分、カラー。
 出演は三船敏郎鶴田浩二八千草薫、嵯峨三智子。
 三船敏郎による「宮本武蔵」の最終章。吉岡一門を倒した武蔵は、剣を鍬に持ち替えて農耕に励む日々を送る。しかし、佐々木小次郎との対決は避けられず、巌流島での決闘の日を迎える・・・。

 武蔵(たけぞう)の幼なじみの又八を三國連太郎、又八の母親のお杉を三好栄子が演じていたが、第二部で又八の役者が代わっているようだ。
 関ケ原の合戦で敗走した又八と武蔵が伊吹山中で、野武士の残党のお甲(水戸光子)とその娘・朱美(岡田茉莉子)に助けられた。
 お甲と朱美の二人に、又八の許嫁だったお通(八千草薫)、この三人が武蔵を慕って追う。
 メロドラマのような展開。健気で可憐なお通の八千草薫がいじらしい。
 第二部に決闘の相手に、鎖鎌(くさりがま)の宍戸梅軒(東野英治郎)が、もうひとつ、奈良で長刀(なぎなた)を持った僧との決闘シーンがある。
 京都で吉岡一門との三十三間堂一乗寺での決闘。
 本阿弥光悦と武蔵が、吉野太夫木暮実千代)の踊りを見るシーンは豪華絢爛な屏風の置かれた部屋で歌舞が華やかだ。木暮実千代吉野太夫が艶めかしく武蔵に未練を残す。
 鶴田浩二佐々木小次郎がシニカルな表情とセリフで印象的だ。 
 岡田茉莉子の朱美、八千草薫のお通、二人の武蔵をめぐる確執も見どころだろう。