追悼・三國連太郎さん

 14日に俳優の三國連太郎さんが亡くなられた。ご冥福をお祈りいたします。
 三國連太郎さんといえば、昨年の四月から五月にかけて、「新藤兼人 百年の軌跡」で上映された二本の映画が印象に残る。
 新藤兼人監督の映画『生きたい』(1999年、近代映画協会、119分、カラー)と映画『流離の岸』(1956年、日活、101分、白黒)である。
 『流離の岸』は山口県萩や宮島口の桟橋などをロケ地にした作品であった。
 原作は大田洋子の小説『流離の岸』である。
 新藤監督による日活映画で、北原三枝が主人公の千穂を、千穂の母を乙羽信子が、そして千穂の級友の兄・竜吉を三國連太郎が演じる。
 デビューした頃の作品といえば、大庭秀雄監督の映画『命美わし』(1951年、松竹、80分、白黒)がある。
 三國さんが笠智衆杉村春子の夫婦の長男で新聞記者を、次男の学生を佐田啓二、長女の学生を小園蓉子、城の堀で自殺を図った女二人に淡島千景桂木洋子と共演している。
 
 時代劇では、稲垣浩監督の「宮本武蔵」三部作は三船敏郎の武蔵だが、第一部にあたる『宮本武蔵』(1954年、東宝、93分、カラー)で武蔵(たけぞう)の幼なじみの又八役が三國連太郎であった。