興行師たちの映画史

 
街路樹のシダレヤナギの花が咲いている。柳の花は穂状で、黄緑色をしているので余り目立たない。 

 ヤナギ科ヤナギ属の落葉樹の総称。一般に湿地に多く、低木または高木で、葉はふつう互生する。雌雄異株。主に早春、花が穂状か尾状につき、種子は白毛があって風で飛び、柳絮(りゅうじょ)という。街路樹や庭園樹にされ。材は器具・薪炭用。コリヤナギ、ネコヤナギなど多くの種があるが、葉の細いシダレヤナギをさすことが多い。ヤナギ科の双子葉植物は約三五〇種が北半球の温帯地域を中心に分布し、ケショウヤナギ・オオバヤナギ・ヤマナラシ・ポプラなども含まれる。  『大辞泉

 引用句は、「田一枚植ゑて立ち去る柳かな」(芭蕉)。


 先日、アレクサンダー・ヴォルコフ監督の映画『東洋の秘密』(1928年、ドイツ、フランス、103分、無声、染色/彩色)とジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』(1902年)を無声映画伴奏者・柳下美恵さんのピアノの伴奏で観たのだが、この時代の人々がこのような伴奏者付きの映画を鑑賞していたということを、追体験できたのはよかった。
 会場でのトークで、柳下美恵さんが今回の無声映画の『東洋の秘密』と同じく無声映画で、四月に『アーティスト』という題の映画が公開されるので是非見てほしいという話があった。
 良い機会だからこれは見たいですね。
 無声映画伴奏者付きの映画『東洋の神秘』を見た後に、柳下毅一郎著『興行師たちの映画史』(青土社)を読んだ。見世物としての映画の歴史を振り返り、映画がどのような人々から生まれてきたか、そして現在までの映画作りの変遷を語り、目からうろこの面白さだった。
 この本はいまにつづく見世物としての興行師たちの映画史である。

興行師たちの映画史 エクスプロイテーション・フィルム全史

興行師たちの映画史 エクスプロイテーション・フィルム全史